ドーム・ナンシー　冬　雪景色　雪林風景　花瓶 被せガラス　エナメル 酸化腐蝕彫　アンティーク

SOLD OUT

こちらはアール・ヌーヴォーのガラス工芸を牽引したオーギュスト・ドーム、アントナン・ドームの兄弟により、1900年初頭に制作された冬景色の意匠が施された花瓶です。


アールヌーヴォー期のガラス工芸において、ガレやアルジー・ルソーと並び、芸術的な美術ガラス作品を数多くこの世に送り出したドーム兄弟。
彼らが制作した初期の作品は、その美術的価値、比類なき芸術性から、現在に至るまで美術界において高く評価され、世界中の人々を魅了してきました。 こちらの作品も、ドーム兄弟の用いた技法や表現が余すこと無く用いられており、初期のドーム作品を代表する大変人気の高い作風です。

この冬景色の作品には、幾種もの色ガラスを溶かし込ませるヴィトリフィカシオンの手法でオレンジ、黄色から成る絶妙な色彩のマーブルガラスが用いられています。 その素地に被せガラスを施した上で、酸化腐蝕彫り(エッチング)で彫刻し、さらに繊細なエナメル彩で彩色することにより、風情豊かな冬の雪林の風景が生き生きと描かれています。
特に、手描きにより繊細に施された木肌、木々や地面に頂いた白い雪の様子が大変印象的です。
これらの造形により、ドーム兄弟の作品の特徴でもある、奥深い表情を魅せる作品に仕上げられており、まるでその場にいるように思える程の、遠近感のある写実的な世界が完成されています。

非常に手間がかけられた装飾の作品で、自然をよく観察し、作品に表現したドーム兄弟ならではの繊細な感性が感じ取れます。
当時に制作された作品特有の形態や、揺らぎのある色彩の変化が大変素晴らしく、見る度に心奪われる圧巻の作品です。
底面には、エナメルによるロレーヌ十字のドーム・ナンシーのサインが御座います。

当時に制作された作品特有の形態や、揺らぎのある色彩の変化が大変素晴らしく、見る度に心奪われる圧巻の作品です。
側面には、ロレーヌ十字のドーム・ナンシーのサインが御座います。


とても古い作品となりますので、花瓶の内側に経年による擦れや汚れは少々見受けられますが、その他目立つ傷や欠け等はなく、年代を考慮しましてもアンティークとして大変良好なコンディションです。
光の当たり方によって様々な表情を見せてくれるこの作品は、飾るだけで一気に幻想的な雰囲気を演出してくれます。

詳細情報
サイズ
高さ：約8.8cm
幅：約5cm
技法 異色溶かし込み・被せガラス 酸化腐食彫り・エナメル彩
年代 1900～1914年頃